10月30日（土）「野町町家」構造見学会 開催！

来る10月30日（土）、今まさに改修中の「野町町家」の見学会を開催します。普段なかなか見ることのできない町家の床下や屋根裏をお見せしながら、今後どのように改修していくのか、設計スタッフが説明・解説。木造建物の調査サービス「木たて調査室」の相談もお受けします。

野町の小路の先にある「野町町家」。昭和初期に建てられた金澤町家で、現在金沢市の「金澤町家再生活用事業」の補助を受けて改修工事中で、2022年2月には賃貸住宅として生まれ変わります。

「野町町家」はかつて金沢R不動産ホームページで「春は短し、恋せよ町家に。」というタイトルで掲載していた物件です。

玄関前の槇の木や、ふすまや建具などが愛らしい昭和町家で、掲載当初から問い合わせも多い物件でした。

ただ、内見まではご案内するものの、盛り土の崩れによる建物の傾きや雨漏れや湿気による腐食がひどく、「改修イメージがわかない」「改修費用がどの程度かかるのか不安」という理由で、何度も見送りになってしまっていました。

写真右側に向かって大きく沈みこんでいました。

雨漏れや湿気により、畳や床の腐食がみられました。

当時のオーナーは相続によって土地建物を引き継いだご家族で、建物に思い入れはあるものの、全員が県外にお住まいでなかなかご自身での活用は難しいこと、前面道路が狭く再建築が困難な土地であることから、町家を残した状態での売却を希望されていました。

そこで、オーナーと相談し、有償で弊社設計チームで、購入をご検討いただく判断材料としてあらかじめ現状の調査と改修プラン・見積作成を行うことに。これがのちに、木造建物の調査サービス「木たて調査室」へとつながっていきます。

改修費用の見積が作成できたことで、金沢市の町家改修の補助制度「金澤町家再生活用事業」の補助額も大まかに試算することができ、購入するかどうかの判断にすぐに移れるようになりました。

その結果、ご購入くださった新オーナーは「いつか町家を所有してみたい」という思いをお持ちの方です。設計スタッフと話し合い、「この町家が本来持っている価値を見直し、復元しつつも、現代の暮らしに適合する町家」をめざして改修をすすめています。

今回の見学会は、改修中ならではの構造を見学できる機会です。普段なかなか見ることのできない町家の床下や屋根裏をお見せしながら、建物の傾きや雨漏れや湿気による腐食をどのような方法で改修していくのか、大工のどのような技が活かされるのか、設計スタッフが説明・解説します。

併せて「木造たてもの調査室」のご相談も承ります。

町家の改修や町家そのものにご興味がある方、「木たて調査室」にご興味がある方、ぜひご参加ください。